犯罪につきものの「実質的経営者」

1月31日の時事通信社が配信しました事件、「架空コイン話で詐欺容疑」。googleアラートで「詐欺」でキーワード登録をしていると、連日、結構なボリュームの詐欺関連ニュースが届きます。警察からの詐欺の注意喚起だったり、被害に巻き込まれないための啓蒙だったり、という記事もありますがそれは一部で、逮捕された・・・という記事があきれるほど多い。そして被害者の多くがご年配の方だというのも、特徴です。
さて、この「架空コイン話の詐欺」事件、その概要は本日は省きますが、逮捕者の中に「実質的経営者」がおりました。こうした犯罪にまつわる記事を丹念にチェックすると、「実質的経営者」が頻出です。経営者というのは、その会社のトップですから、実質的経営者にせよ形式的経営者にせよ、そんな人が存在すること自体がおかしな話。経営者は一人いれば、十分じゃないですか。

どうして黒幕がいないといけないのか?

ただ、会社によっても事情があります。出資者と経営者が分離している場合があります。また、出資者が経営したいのだけど、どうしても経営にタッチできないときもある。自己破産して復権していない場合など。いずれにしても、実質的経営者にしかなりえない理由がはっきりしていて、その理由をだれに対してもきちんと説明できるならば、変則かもしれませんがそれも仕方ありません。ただし問題なのは、誰にも実質経営者でいる理由が説明できない会社は要注意です。

こんな事件にも「実質的経営者」がいた!

巨額詐欺事件で世間を騒がせた西五反田の「海喜館事件」。63億円もの資金を地面師に騙し取られてしまった事件、ここに登場した会社謄本をみると「社長は傀儡」でした。ちょうど一年前、「グルメンピック」なるグルメフェスティバルを味の素スタジアムで開催すると騙って、飲食店から出展料を出しとった事件も、舞台になった会社には「実質的経営者」がおりました。私は会社謄本の読解について、アチラコチラでお話しさせていただいております。その中で『何も考えなくてよいから、ただ会社謄本の見た目だけで、「これはおかしい」「これはクサいぞ」と疑ってかかってください』と申し上げる一つに、今日の「実質的経営者」の存在があるです。
もし「実質的経営者と、ハナから疑ってかかるのはおかしい」と言われたら、その理由を教えてもらえばいいのです。理由を聞いて納得がいけばそれでよし。「どうもすいませんでした」と謝って、以降考えを切り替えればいいと思うのです。いずれにせよ「実質的経営者」というのは「変則」であり、ということは「通則・正則」があるということ。物事まず「通則・正則ありき」です。
基本や原則を見つめないといけないと考えます。