登記の遍歴と事件

「架空コイン話で詐欺容疑=40億円超集金か、6人逮捕」、登記情報提供サービスで会社謄本を手に入れました。報道では「架空コインの販売事業をめぐり、平成25年11月~26年9月、高齢者らから約10億9千万円を詐取したとみられる」とあります。平成18年9月に設立登記された当時のS社(現G社)は、資本金が100万円。詐取を働いたとされる間、100万円→3000万円→9900万円、と急ピッチで資本金が増額されました。ちなみに、9900万円で増資を止めたのは、交際費を経費で落とせるようにしておきたかったから、ということでしょう。・・・ということは詐欺容疑で関係者が逮捕に至ったとはいえ、当時は税務申告を行っていたとも考えられる。つまり、ハナッからマル暴関係ということでもなさそうです。
さて増資の際に「払い込みがあったことを証する書類」が必要です。つまり「通帳コピー」が使われるとのこと(昔は「払込保管証明」だったものですが、会社法施行によって通帳で良くなったようです)。すなわち1回目の増資の時には、2900万円の残高が、2回目の増資の時は7000万円が預金残としてあったということになるわけです。増資に充てられたのが1億弱ですから、一体どれだけ騙し取った金が通帳にプールされていたのか?と嘆息するばかり。
ゴールドスター資本金

法人番号公表サイトには変更履歴記載なし

今後は閉鎖謄本代わりの役割を担ってくれると期待される「法人番号公表サイト」。しかし今回のケースでは役に立ちません。詐欺王の集団は、「本店・商号をコロコロ変更するのが常套手段」なのですが、S社の場合、商号および本店変更登記が平成26年10月を最後にありませんでした。法人番号公表サイトの運用は「平成27年10月5日~」ですので、本件に限っては「変更履歴情報」はゼロ。結局、会社謄本(現在・閉鎖)を取ることでしか情報を手に入れることが出来ません。

この事件からつかめる傾向・兆候はあるか?

代表取締役の就退任が頻繁です。これくらいの規模で2年ごとに社長が交代するのは、落ち着きがないかな?という感じ。あとは「コレ」といった傾向がありません。となるとやはり、「増資のペース」と「取り扱い業種」に注視するという形になるでしょうか?

不自然な時期に増資をしていないか?不自然な増額ペースではないか?この2つの関連性を今後の研究課題にして、謄本分析を続けてい行きたいと思います。