休眠会社イメージ

単なるデータ公表とは捉えられない

企業の休廃業・解散、昨年2.1%減 5県で1821件」 経営者の高齢化・後継者不足で事業を止める、ということもあるそうです。帝国データバンクの広島支店まとめ、となっていますので、全国規模では万の大台に軽く乗っていると思われます。
さて、このデータを単に「事業所取りやめ数を勘定したもの」と捉えるだけでよいのでしょうか?私は決してそう思いません。帝国データバンクが発表した1821件のうち、相当数の会社登記が「放置」されると予想されるからです。なぜ「放置」がいけないのか?「放置」された会社はいわゆる「休眠会社」になり果てる。そしていわずもがなですが、「休眠会社」というのは詐欺にまつわる悪質事件の温床になりやすい。これは過去、社会面を賑わせた事件からも明らかです。特に「未公開株事件」「取り込み詐欺事件」など、平均被害額が低くなく、事業に絡むケースによく見られます。

経営者の高齢化による廃業を裏読みすると・・・

「休眠会社」となった会社登記に、何の価値があるのでしょうか?「会社設立の年月日」、つまり業歴です。記事によれば「経営者の高齢化・後継者不足で事業継続が困難・・・」とありますが、「経営者の高齢化」ということは、すなわち「事業をある程度の期間継続していた」と読み替えることができます。つまり「老舗だった休眠会社」がこのデータには相当数含まれているのではないか?と考えられます。
会社登記を変更するのには、難しい手続きもいりませんから、「会社成立の年月日が古い」会社登記を手に入れさえすれば、簡単に「老舗企業」をでっち上げることができる可能性があると考えられます。

自ら清算するわけがない

「どうして休眠会社が存在するのかわからない。会社って倒産したら清算しないといけないのではないか?」ある会社で講演をしたら、こういう質問を受けました。理屈はその通りなんです。そう清算しないといけません。しかし、よく考えてみてください。会社を清算するにしても登記の費用がかかるんです。でも事業の具合がよくないから、金が尽きると考えたから、いや尽きてしまったから、事業を止めるんです。清算登記はすべきと分かっていたって、(自主廃業する事業にとって)何ら意味のない行為にわざわざない金をつぎ込む道理はありません。かようにして、休眠会社はなくなることはないのです。

このように私のつたない経験から予測するのですが、となると、ビジネスマンも休眠会社を悪用した手口に引っ掛からないように、自衛手段を講じるよりほかにないでしょう。