【反社調査① 新株発行(第三者割当)FAQ14】
最近、問い合わせを多くいただくのが、株式公開企業が増資を行う際の「反社チェック」。どういうチェックをしてくれるのか?いくらか?時間は?報告書の形式は?などよくいただく質問をまとめました。
- 質問1 どのような背景で、反社会的勢力に関する調査依頼がありますか?
- 最近は、株式公開企業が増資を実施するとき、になります。
- 質問2 調査の依頼先はどういう企業が多いですか?
- おもに、JASDAQ・マザーズに株式を公開している企業からのご依頼が多いです。
- 質問3 公開企業の増資といったケースでは、調査の対象は何になりますか?
- 増資の割当先です。
- 質問4 調査結果の報告はどのような形式になりますか?
- 調査用途を「公開企業の増資」に限定しますと、1枚の報告書に、「反社としての該当情報なし」あるいは「反社としての該当情報あり」と記述する形式になります。弊社では「簡易タイプの反社調査」として、メニューをご用意しています。
- 質問5 たった1枚の報告書で用件が足りるのでしょうか?
- これまで多くの公開企業からご依頼を受けてまいりましたが、この1枚報告書で事足りていると伺っています。
- 質問6 証券取引所または金融庁から、調査結果・報告書について問い合わせがあったら、どう対処したらいいでしょうか?
- その際は、弊社へご相談ください。当局からの問い合わせ事項は、ある程度想定できていますので、お客さまがお困りにならないよう適切な回答をご案内します。
- 質問7 割当先が外国法人、外国籍の個人でも調査はできますか?
- 可能です。
- 質問8 割当先が株式公開企業の100%子会社の場合でも、調査は必要でしょうか?
- 各社のご判断次第ですが、私どもは調査の必要はないと考えます。他のIR情報を分析してみますと、割当先が公開企業(あるいはその100%子会社)の際には、調査会社を経ないケースが多く見受けられます。くわしくは弊社までお問い合わせくださいませ。
- 質問9 調査を依頼してから結果が判明するまで、時間はどれくらいかかりますか?
- ご依頼を頂いてから1週間後(5営業日後)とお考えください。日程に余裕を持たせていただけると助かります。
- 質問10 調査の料金はいくらかかりますか?
- 1対象につき5万円と消費税です。その他には料金はかかりません。
- 質問11 調査を依頼するにあたって、対象者のどういう情報が必要ですか?
- 法人と個人でいただきたい情報が違います。法人は会社名・住所で可能ですが、個人の場合は氏名(「よみかな」も必要)・住所・生年月日です。生年月日が分からない場合は、更に時間を要したり、調査そのものができないということがあります。
- 質問12 調査を依頼するにあたり、必要な契約書などはありますか?
- 弊社から差し入れをお願いする書類はありません。秘密保持契約書(NDA=Non Disclosure Agreement)や業務委託契約書などは、お客さまのフォーマットにお任せしているケースが多いです。
- 質問13 調査結果の根拠や信頼性、信憑性について、教えてください。
- 秘密保持契約締結後にご案内していますが、上記の質問6にも充分耐えうる内容です。
- 質問14 どこの地域にある外国企業や、どこに国籍を持つ外国人に対して、反社会的勢力調査を出掛けてきましたか?
- 中国・欧米・タックスヘイブン地域に本店を置く企業や外国人の反社チェックを、多数手掛けてまいりました。
【反社調査② 反社調査に強い調査会社 FAQ8】
「信頼できる調査会社って、どうやって見つけたらいいのですか?」調査会社の私がそんな質問をされ、困惑することがありますが・・・、それはそれとして「調査会社の人などと会ったこともなければ、話したこともない」人がほとんどでしょう。そこで私が思う信頼できる調査会社の探し方、特に反社チェックに強い調査会社の探し方を以下にまとめてみました。
- 質問1 反社会的勢力調査に強い調査会社を見つける方法はありませんか?ホームページだけでは、善し悪しが判断できません。
- 反社調査の実績がある調査会社か?を検索する方法があります。
- 質問2 その検索方法を教えてください。
- 次のワードを入力して検索してください。「IR情報」「割当先の実態」「反社会的勢力」の3つです。
- 質問3 質問2に従って検索したら、いろいろな企業のPDFがあがってきました。
- それは、株式公開会社のIR情報(「投資家向け広報」)です。「株式発行」を含んでいる題目のPDFを選び、ダウンロードしてみるのがよいでしょう。ダウンロード後、小見出しを追っていくと「割当予定先の実態」という項目があるはずです。
- 質問4 「割当予定先の実態」には何が記載されているのですか?
- 増資を引き受ける先の情報が書いてあります。引受先(=増資割当先)が「反社会的勢力でないこと」を疎明するよう証券取引所から指導されていますので、「〇〇会社に反社調査をさせた結果…」という文言が明記されているはずです。
- 質問5 「〇〇会社に反社調査をさせた結果…」の「〇〇会社」が調査会社ということですか?
- その通りです。何社かのIR情報を閲覧してみて、頻出する調査会社を何社か集めてみれば、反社調査に明るい調査会社を知ることができることになるでしょう。ただどこの会社も調査会社を使っている、とは限りません。IR情報の内容をよく吟味してください。
- 質問6 取引先が1000社以上あります。1社1社について、反社か否か?をチェックすることはできますか?
- 可能です。
- 質問7 1000社以上の反社チェックを依頼したときに、1社辺り5万円の調査料金では到底採算が合いません。
- 上で紹介した「簡易調査タイプの反社調査」とは別に、一度に大量の法人個人をスクリーニング(→反社スクリーニング)する調査手法を用意しています。価格・納期などは別途ご相談ください。
- 質問8 簡易タイプの反社チェックと反社スクリーニングの違いを教えてください。
- 利用するデータベースに違いがあります。くわしくはNDA締結後にお知らせいたしますが、反社スクリーニング用のデータベースは、平成27年に警察が公表している構成員・準構成員総数の93.2%をカバーしています(弊社算出)。
【反社調査③ 簡単な反社スクリーング法 FAQ17】
反社かどうか、をある程度判断するスキルは総務総務パーソンに求められているのではないでしょうか? そこで反社かどうかを見分ける目安を以下にまとめました。業法や謄本類など公開資料を丹念に読み込んでいくだけでも、意外と勘所がつかめるものです。
- 質問1 反社会的勢力が関わっている会社かを、簡単に見分ける方法はありませんか?
- 簡単に見分ける方法はありません。しかし暴対法・暴排条例・各業法により反社会的勢力が関与できなくない仕組みが進んでいます。したがって、表面的には役所から許可などをもらい営業している会社は、表向き「反社」ではない、と云うことが出来ると思います。
- 質問2 反社会的勢力が関与できない仕組み、とは具体的にどういう仕組みですか?
- 探偵業で説明します。探偵業法第3条に「次のものは探偵業を営んではならない」とあり、「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者」というのがひとつ。
- 質問3 もうひとつの仕組みはなんですか?
- そして「法人でその役員のうちに暴力団に該当する者があるもの」という規定もあります。つまり暴力団員は探偵業にタッチできないという仕組みになっています。
- 質問4 探偵業の他に、どんな業種がありますか?
- 不動産業(宅建業)・建築業などがそうですね。つまり「モグリ業者」でない限り、この業界に関わっている経営者に反社会的勢力者はいない、という理屈になります。
- 質問5 役所は開業届出を受け付けたら、独自で「反社チェック」を行っているのですか?
- そのようです。
- 質問6 役所に届出て若しくは許可を受けて営業している会社は「すべてシロ」と断言できますか?
- 必ずしもそうとも限りません。「株主が抜け道」になる可能性があります。
- 質問7 なぜ「株主が抜け道」になるのですか?
- 株主が経営者のケースと、経営者でないケースの両方が出てきます。探偵業法の場合、暴力団員が経営に関われないのですが、取締役を兼ねていない株主(経営陣でない株主)についてまでは、欠格事由者としての言及ができていません。また株主は登記で確認することができません。
- 質問8 役所から許可をもらった業種についても、反社が介在している可能性も捨てきれないわけですか?
- 可能性ゼロではないでしょうが、普通に考えれば、許可業種に反社が介在するというのは極めて稀と考えます。
- 質問9 「株主が怪しい」という場合で、どんなケースが考えられますか?
- 例えば、代表取締役や取締役といった登記された経営陣を差し置いて、「顧問」とか肩書のないキーマンがシャシャリ出てきた…等というケースは要注意ではないでしょうか?弊社発行の無料小冊子55ページにトピックを掲載しました。ご覧ください。
- 質問10 肩書を持たない「実質的経営者」がいる会社は、反社である可能性が高い?
- 組織形態としていびつなので、可能性を疑ってみる必要はあるでしょう。事件報道をいくつも分析してみると「実質的経営者」という存在が、結構な割合で登場してきます。その中には「反社関係者」だけでなく、「破産して復権を得ていない者」という場合もあります。私が書きました本「会社謄本分析事始」の99ページでも関連トピックスを紹介しましたので、参考にしてください。
- 質問11 株主について他に注意すべき点はありますか?
- 株は売買可能です。従って当初は反社が関与していなかった会社であっても、株を買い受けた者が「反社関係者」であると、反社が関与している会社と見られる可能性は出てくると考えます。
- 質問12 役所への届出、許可業種以外の見極め方法で、何かありませんか?
- 警視庁OBによると、「右翼思想を純粋に研究している団体は数パーセントしかない」という話しをされています。逆に言えば、残りの90数パーセントはそうでないということになります。したがって右翼と称する政治団体については、要注意という見方になるでしょう。
- 質問13 政治団体はどうやって調べることができますか?
- 政治団体をまとめているのは総務省、各都道府県の選挙管理委員会です。総務省や都道府県のホームページで政治団体が公表されています。つまりは情報を重ね合わせると、役所の公表しているデータがそのまま反社チェック資料になるといえます。こうにして自分なりの反社に対する感覚を、磨いていくことが大切ではないでしょうか。
- 質問14 東京都では平成23年3月に暴力団排除条例が施行されました。この条例からヒントになる方法はありますか?
- 施行の直前に、突然役員を辞任したというケースはその理由を疑った方がいいと思います。会社謄本の役員欄をチェックしてみるとわかります。
- 質問15 突然辞任した役員が、なぜ反社関係者を疑われるのでしょうか?
- その根拠として、その筋の幹部が新聞の取材に対し「暴力団排除条例が施行されたら商売にならないので、役員を辞任した」という記事がありました。辞任した反社関係者が、質問10のように「実質的経営者」にまわるというのもこんな事情があるからです。
- 質問16 最近では、反社関係者が銀行口座を開設できなような仕組みになっていると聞きます。
- 銀行は膨大な顧客データベースを有していますし、情報から自衛しているのは間違いないでしょう。したがって「銀行取引があるからシロ」との推測もあるでしょう。しかし、前述した様に反社関係者が株主になって会社を乗っ取った場合、見極めが難しいと思います。
- 質問17 さまざま業界で、反社のデータベースが充実しているようですね。
- 外部が自由に利用できる環境にはありませんが、例えば日本証券業協会ですと「反社情報照会システム」で対策を講じています。