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一矢報いた裁判

刑事裁判を舞台にしたWOWWOWドラマ「事件」。
大岡昇平の原作を今風にリメイク、
芸達者がそろっていて、非常に面白い。

さてさて、調査の仕事をしていますと、
裁判に、といっても私の場合
100%民事裁判ですが

「こんな情報を集めてもらえないか?」

という依頼が舞い込むことがあります。

ある貸金返還訴訟。
被告である連帯保証人が法廷で
こう訴えた。

「亡くなった父親に
 血が出るほどぶん殴られて
 無理やり署名捺印させられた。」

だから連帯保証は無効。

債権者である原告は
「何をいまさら、いけしゃあしゃあと。
 この期に及んで、
 とんでもないでっち上げ並べて」

真っ向から対立。

原告の依頼で、
被告の主張を崩す何かを見つけてくるのが
私のミッション。

走り回った結果、国会図書館で、
この親子について書かれた
本を見つけました。

親と息子の心温まる交流が描かれ、
気を失うほどブン殴られて、
無理やり署名させられたとは思えない内容。

レポートをまとめて報告。

結果として、
被告の主張を覆すには至らなかった、
とのことだったそうですが……

法廷で証拠の本を渡されたとき
狼狽の表情を表し、留飲を下げた、
と依頼者から聞かされ、安堵しました。

「裁判」は言い換えれば、手足を使わない「ケンカ」。
ドラマと実際は違うでしょうが
弁護士・裁判官、大変なお仕事です。

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