スポーツアニメの傑作「巨人の星」が
Youtubeにアップされていて、ついつい見入ってしまう。
昔、テレビの再放送で、さんざん見たというのに。
懐かしさのあまり、改めて見てみたら、物語はアウトの連続。
虐待・パワハラのオンパレード(笑)
たかが漫画とはいえ
「観光地のPR動画の内容に抗議が3件あった」
浦添市長が謝罪会見をする昨今です。そりゃ、時代に合いません。
梶原一騎原作のいわゆる「スポ根」モノは
今のご時世に大逆行がゆえに、かえって新鮮に見えてしまう。
決して礼賛するつもりはありませんが。
そんな目線で見ていると、
有名なあのオープニング
♪真っ赤に燃える王者の印、巨人の星をつかむまで
軍歌、まさに軍歌です。
アニメの放映は1968年~1971年。
半世紀以上も前、55年も前のこと。
時代はちがうし、規律・価値観・精神論、すべて違います。
この時代の1970年、大場政夫というボクサーがおりました。
弱冠21歳で世界王者になった名選手。
しかし不幸にも交通事故で、チャンピオンのまま亡くなった伝説のボクサー。
その彼が、世界選手権に勝利し
王者になった喜びの度合いを問われて
答えた言葉が
「長い間、辛抱してやってきて、
口では言えないくらい、本当に嬉しい」
わずか21歳の若者から、
『辛抱』という言葉が出てくることに、私は深い感動を覚える一方、
『辛抱』と云わせてしまう時代背景を、ついつい思いやってしまうのです。
その2年前の1968年、
日系米国人の藤猛という世界チャンピオンがおりました。
片言で愛嬌ある言動が流行語になるほど、大変人気がありました。
が、風貌はいくら日本人でも、中身はアメリカ人です。
「ボクシングはビジネス」
彼はかなりドライに割り切っていました。
ある世界選手権の防衛戦。試合は劣勢を極めた。
「もうこれ以上戦っても勝てない。もうやめる」
自身はそう判断し、インターバル中に棄権を申し出た。
王座陥落…。
今なら文句も出ませんが、当時の客は収まりません。
「やらせろ!やらせろ!」
飛び交う怒号がマイクにも乗る。
「敗色濃厚だろうと何だろうと、倒れるまでやれ!」
それが当時の日本人気質でしょう。
巨人の星のテーマソングと何となく重なる。
♪血の汗ながせ~
やがて主審は藤陣営の棄権を受け入れ
テクニカルノックアウトを宣告すると
今度は、実況中継のアナウンサーが痛烈な一言。。。
「藤が試合を投げました!」
「昭和の時代は良かった!夢があった!」
このようなコメントを目にし、耳にしますがが
イヤイヤ、今の時代の「ユルさ」が全然心地よいです、私には(苦笑)
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