スマホとSNSのおかげで、普段の生活が飛躍的に便利になりました。
が、その便利さの一方で、偽情報に惑わされたり、
誹謗中傷に苛まれ命を絶った…という悲しい事件を耳にするようにも。
「匿名」を隠れ蓑に、心無い言動を投げつけて憂さを晴らす…
そういう輩が一定数、存在するようです。
便利なアプリが普及すると、それらを悪用して
こういう匿名の迷惑行為を繰り返す手口を
「いまどきの犯罪」と報道し、私たちも「意を得たり」と納得する。
「誘拐」(著者:本田靖春)という本があります。
1963年(昭和38年)に、
社会を震撼させた「吉展ちゃん誘拐事件」を
題材にしたノンフィクションです。
犯人の生い立ち、事件発生から逮捕・死刑になるまで
丹念に経緯を追っているのですが、衝撃を受けたのは、
寄せられた情報の9割がインチキだったというのです。
身代金の受け渡しをしくじった警察の大失態に加え
ウソの情報に捜査陣が振り回され、
犯人逮捕まで2年以上の歳月を要してしまいました。
当時の新聞では普通のこととして
被害者宅の住所が載り、電話帳にも掲載されていたことから
いたずら電話の対応に追われた。。。
「東北の片田舎で吉展ちゃんが、〇〇と一緒にいるのを見た」
実にしっかり内容でしたためられた手紙が届き
捜査陣が現地に赴くも、全くの空振りに終わった。。。
「匿名」になれば、他人を困らせることをしては
右往左往するさまを見て、喜んでいる人が必ずいるのは
今も昔も全く変わっていない。ただいたずらの手段が違っただけ。
この本を読み、つくづく思い知らされました。
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