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拉致問題と日本語放送

拉致問題に取り組む議員の
パンフと封書が、先日ポストに投函されていました。
「拉致」とは、すなわち「力づくでの人さらい」。

拉致など、とんでもない話です。

横田めぐみさんが囚われの身になったのは今から46年前、中学1年の時。
私はめぐみさんと縁もゆかりもありませんが、同じ学年ゆえ
その頃の日本から時が止まっている、と考えると胸が痛みます。

当時、海外のラジオ局が日本に向けて日本語放送を、
短波バンドでさかんに流していました。
その国の宣伝、広報…、つまりプロパガンダという意味合いでしょうか。

そんなころ、子供の間で海外の日本語放送を聞くという
BCL(Broad Casting Listeners)ブームが、結構な盛り上がりを見せました。

放送を聞いて、その内容を「受信報告書」にまとめ、航空便で郵送。
すると、ベリカード(Verify Card)といわれた「受信証明書」を返信してくれ、
このベリカードを集めるのが、大ブームになったというわけです。

ご多分に漏れず、私もそんな小僧の一人でした。
「海外と直にやりとりできる」という体験が気持ちを高ぶらせ、
ベリカードが家に届くと、大層感激したものです。

そうやって集めたベリカードの一つが平壌放送(朝鮮中央放送)。
この局はベリカードのほかに、
小さなペナントや色々なグッズを送ってくれ、サービス満点。

「偉大なる首領様」「親愛なる金日成主席」都度称える表現に
「なんか変なの」と子供心に感じていたものの
豪華なグッズに欲しさに、何度も報告書を郵送したものでした。

それから相当年数が経過し、韓国語を習いに行っていたときのこと。
机を並べて勉強していた同世代の男性、
マスコミに従事をしていたその人がポツリ。

「受信報告書が、拉致のリストになっていたって噂、聞いたことない?」

あくまで噂だそうですが、あながち出まかせとも思えない。
その男性は、こう続けました。

「北陸とかあの辺りのことみたいだけど、
 ある日突然、北朝鮮関係の人が家に尋ねてきた、って話だよ」

頭をバットでひっぱたかれるほどの衝撃でした。

10年ほど前、この国に人たちとモンゴルのウランバートルで
ボクシングの試合で一緒になったことがありました。
通訳を介してですが、個々の素顔は実に素朴。

「中村さん、あなたのフットワークは『チャップリン』みたいだ」

ウォッカをあおり真っ赤な顔して、笑っていた監督さん。

そんな彼らだって、上意下達にならざるを得ない。
上の者、組織には絶対服従。個より公です。
毎日、お国の大使館に報告に行ってましたもの。

ミサイルはぶっ放す・・・
ハッキングで暗号資産を絡めとる・・・

そんな国がすぐそばにある。
議員のポスティングを手にして
そういう事実を改めて認識した次第です。

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