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【実体験と考察:狙われる高齢女性 2017年の偽電話詐欺事件、再び増加】

架空請求で迷惑を被る

西日本新聞から。福岡県警がまとめたところによると、「動画サイトの閲覧料金などを請求する「架空請求詐欺」は268件で、前年の128件から大幅に増えた。」とのこと。この手の事件、金銭をだまし取られた側ばかりクローズアップされますが、意外なところにも被害が及びます。「架空請求」を行う際、実際に存在する会社をかたる必要があるんですね。例えば、何らかの方法でメールアドレスを大量に入手し、「架空請求」の一斉メールを送信。そのメールには「どこが請求しているか?」をもっともらしく演出する必要があります。そこで、実際に存在する会社の商号・担当者の苗字を一部拝借し、架空請求の文言を作成、メールを送り付けるという手口です。かたられた会社にしたら迷惑このうえない。
3年ほど前、実は弊社がこうした輩に会社名を使われたことがありました。

朝からてんてこ舞い・・・

「お宅はいったいどういう素性の会社なんだ?」受話器の向こうから、不信と警戒に満ちた声で問いかけてきました。なんのことやら訳が分からぬまま答えていると、次から次へとビジネスホンが狭い事務所に鳴り響く。何人目かに聞けば、架空請求の発信先が弊社名になっていて、ご丁寧なことに私の苗字だけが担当者として使われていることが分かりました。ことの次第に驚愕しながら、また何人目かの電話口でお願いをし、「こちらも社名を勝手に使われ、朝から電話応対で仕事にならないんです。どういうメールが届いているのか、こちらへ転送してもらえませんか?」 もらったメールを見て、ようやく状況が飲み見込めたという始末。

2018年1月19日架空請求その1 
2018年1月19日架空請求その2

※至急ご連絡ください、という件名で

弊社の社名をかたり、私の名前を一部変え、とんでもないメールをばらまいてくれたもんです。朝っぱらから30件ほどの電話応対に追われ、中には「お金を振り込んたのですが・・・」という方までいらしたのには驚きました。電話口のイントネーションやナンバーディスプレイで気が付いたのですが、東北地方からおかけになっている方が大半。その地域でまとめられたリストが流出したのでしょう。所轄にも相談し、架空請求の電話にかけてもらうようにお願いもしました(当然ながら警察からの電話には反応なし、とのことでした)。
おかしい、怪しい、と思った方は弊社名で検索し電話をかけてきたという次第ですが、大半の方は無視でしょうし、もちろん件の番号へ電話してしまった方だっていたでしょう。一体どれだけの方へこんなどうしようもないメールを流してくれたんだ?と思います。騒ぎはほぼ一日で収まりましたが、まさかホームページがこんな形で悪用されるとはおもってもみませんでした。
オレオレ詐欺をモチーフにした「頸草」(黒川博行著)という本を最近読んだのですが、こうしたリストとそのメンテナンスがこの手の犯罪の温床になっているのを痛感させられます。

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