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パクリ屋に用心する⑨

詐欺会社の典型的な登記に
「短期間のうちに500万円ずつの増資を実施する」
こんな手口があります。

そんな会社謄本をみたら、
心の中でアラームを鳴らした方が念のためです。

パクリ屋の疑いが非常に強い会社の謄本。
資本金の変遷です。

増資は金銭である必要はありません。
建物といった不動産、車のような動産でもよい。
こういう出資を「現物出資」と呼んでいます。

しかし、何でもかんでもというわけには参りません。
「その出資額、妥当なんですか?」
「検査役」がOKを出さないとダメ。お目付け役ですな。

そんな仕組みになっています。ところが、ここに抜け道。
500万円を超えない場合は「検査役」が不要。
よって「500万円増資」が架空登記に利用されてしまう。

「現物出資を受けました」とでっち上げて登記申請。
500万円増資を2回行えば、あっという間に資本金1000万円です。
極めて質の悪い錬金術です。

500万円増資がすべて架空登記とは言いません。
しかし注意してみる価値はあるでしょう。

「どうしてこんな小刻みな増資をしたのか?」
「500万円増資はどういう財産を充てたのか?」
図々しく質問してみて、相手方の反応を確かめてみる。

これも詐欺回避の方法と思います。

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