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【反社チェック演習】”事業者向けビジネスローン”なるFAXを考察する

「感覚的にあやしい」では失格

今日、事業者向けビジネスローンの営業FAX(仮にTとします)、が事務所に送られてきました。チラシのキャッチコピーには、”担保・保証人不要” ”即日融資”・・・なんて文字がおどってる。「これ、お得じゃないの!?」キャッチに反応して、ホイホイ融資を申し込んでしまう人は、まずいないでしょう。しかし、どうして我々は「申し込むべきではない」と判断できるのでしょうか?
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①見るからに怪しげなFAXだから。FAXで融資斡旋などするのはおかしい。
②ヤミ金融の恐ろしさはニュースで再三見聞きしている。
③「融資手数料詐欺」が社会面をにぎわすことがあるから。
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おそらくこのような理由からでしょう。だとすれば、判断の根拠は「雰囲気」や「空気」、とは考えられないでしょうか?今日送信されてきたFAXは、たしかに①~③に当てはまります。しかし、このFAXがヤミ金業者や融資詐欺を行っている証拠など、どこにも書いてありません。もしかしたら「ここだけの話」的なウマい話であることも否定できない、と言えませんか?

どこがNGなのか、具体的に指摘できますか?ポイントは2つ

このチラシはインチキだ、と具体的に指摘できるポイントは2つあります。ひとつは「登録番号」。貸金業者は登録番号をかならず持っています。「東京都知事(2)第***99号」とかですね。これがなければモグリ業者。ところがこのチラシには、登録番号が一切載っていません。貸金業者が登録番号を表に出さないメリットを、私は到底考え付くことができません。したがって、上の①~③の状況に当てはまるからモグリ業者ではなく、登録番号の記載がないからモグリ業者、という理屈になります。決して「空気」で判断していません。そして、登録番号・商号・住所で登録があるかないか?を確認できるサイトも用意されています。 → こちら
役所から登録や許可の番号をもらって営業する業種は結構ありまして、ほかに宅建業、建設業。探偵業もそうでした。重要なのは、許可・届出制の商売は、反社会的勢力者が関わってはダメという法律の一文があること。したがって登録があるということは、すなわち「反社ではない」という見方ができることにもなります。「初歩の反社チェック」と言っていいかもしれませんね。

社名・住所から会社謄本が取れるか?

もうひとつは会社謄本が取れるかどうか?です。この手のFAXが来るとすぐ謄本を取るのですが、まず取れた試しがありません。今回のTも同商号会社はありましたが、住所が違います。もしかしたら同じ会社の可能性だってありますが、TのFAXには個人名が一切出ていません。確認しようがないです。もしかしたら、確認されると困るから…ということなのかもしれません。会社謄本は制度を悪用すれば、適当な住所に登記を置くことができるのですが、登記すら見当たらないということですから、何をかいわんやです。
非常にきれいに作成してあったある会社のホームページがありました。ところが会社概要のページをみたら、社名に株式会社がついていない。そして、代表取締役が誰かも載せていない、住所も中途半端にしか書いていない。案の定、会社謄本は取れません。その時の業種は、アリバイ会社といわれる業種でした。この業種に恨みつらみはありませんが、本来取れるはずの会社謄本が取れない、というのは対外的な信頼をなくします。
この2つの単純な見方でも、「反社チェック」のセンスを磨けるのではないでしょうか?

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