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大昔の身上調査

今ではすっかり廃れましたが
バブル期のあとしばらくは
まだ新卒者の身上調査、結構な仕事量があったそう。

「あったそう」というのは
私がこの業界に飛び込んだころ、身上調査はすっかり下火で、
残念ながら、上の世代から聞いた話だから。

私の就職内定が決まった1987年、
「どういうお宅のお子さんか?」
近所に興信所の人が調査に来たんだとか。

祖父の代から住んでるし、実家は商売をやっていて、
両親が町内会の役もやっていました。噂の広がりはやたら早い。
近所の人がすぐ教えに来てくれました(笑)

「お宅のお子さん、銀行に就職するんですって?」
「良く話しておいたわよ!」
おいおい(笑)

今なら「個人情報の漏洩が…」と問題になりますが
「なんだ、しょうがないなぁ。バレちゃったの」
で、済んだ時代。

また当時、身上調査が行われていることは、
別に珍しくもなく
聞く方も、聞かれる方も、手慣れた感がありました。

企業が内定を出す時期は決まっていますから
調査員は3,4カ月だけ多忙になります。
杜氏みたい…といったらアレですが、要は季節労働者。

この時期はシャカリキに働いて
あとは遊んで暮らす人、
資格を取って勉強する人、など多士済々。

中には小説家になった人もいて
調査員での経験を生かした推理小説を
お書きになったそう。

さてさて、調査をするには資料が要ります。履歴書ですね。
履歴書が入った段ボールを、無造作に会社から渡される。
雑すぎる重要書類のやりとり (苦笑)

おおらか、といえばおおらか。
とんでもない、ったらとんでもありません。
いずれにしても、個人情報もへったくれもありません。

大企業も個人情報の取り扱いには、敏感ではなく、
当時の世の中も、それで良しとしていた。

終身雇用制も崩れ、
個人情報の取り扱いが厳重になり
インターネットも発達しました。

それに伴い、新卒の身上調査は廃れました。
しかし、これは社会の要請なんだろう、と思う次第です。

世の中が変われば、人も変わる、習慣も変わる。
昔の商売が廃れ、新しい商売が台頭する。
当然の摂理。

時代が何を求めているのか?
調査会社はしっかり考えて、
商売をしていかないといけませんね。

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