市町村にある犯罪者名簿
先日、掲題のニュース「保育士の犯歴照会、義務に 登録取り消しを徹底」を目にしました。
「犯歴があるからすべてがダメ」という理屈はないと思いますが、やはり犯した罪によって「就いてはならない職業」「望ましくない仕事」というのは間違いなくあるでしょう。
そういう意味では、「保育士の犯歴照会」という機能が果たす意味は大きいはずです。
ところで、この記事で注目したいのが「犯罪者名簿」。
我々にはなじみの薄い用語ですが、本籍地のある市町村に備え付けられているといいます。
警察だけではない犯罪情報
犯罪関係の情報は警察にしかないのでは?と不思議に思いますが、地方の検察庁が市町村に「罪状」を伝える制度があり、それらをまとめたものが「犯罪者名簿」ということになります。
もちろん公開されているものでもありません。
それどころか、弁護士が職権で照会を求めて大揉め(という表現は適切ではないかもしれませんが、まぁ分かりやすく説明するためあえてこう書きます)になり、「前科照会事件」という有名な判例にまで至ってしまったケースさえあります。
もちろん、犯罪を起こしたところで「若気の至り」だったという範囲もあるでしょう。
いずれにせよ、こうした情報は戸籍や住民票に記載されることは絶対にありませんし、きちんとプライバシーが管理されています。
言いたいことは、こういう制度があるということを知っておいたほうがよい、ということです。 → 【参考】犯歴事務規程
きちんと機能させること
記事のように、わいせつ罪で実刑を受けた人が再び保育士になる、というのは親御さんからしても心配極まりないでしょうし、道徳的にもいかがなものかとおもいます。
また先般、表向き不動産会社社長だった男性が、なりすまし詐欺のとりまとめ役だったという事件、逮捕された男性が再び不動産業に就こうとするならば、「犯罪者名簿」が活用され、許可を下すか下ろさないかの議論は十分されるべきだろうと個人的には思います。
いずれにしても、世の中の制度が複雑極まりなくなってくると、「えっ!こんな制度があるんだ」と驚くようなことが結構あるものです。
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