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法は民意を汲み取る

昨年9月、商業登記規則等の一部が改正されました。その中で、
「法人謄本の閲覧サービスで代表者の住所を表示しない」という省令案が示されました。
もちろん法務局で法人登記を取得すれば、代表者住所が表示された謄本は取得できる、という余地は残される。

信用調査に携わる者として、この案が施行されるようになれば、これは非常に厄介。
会社の与信は、代表取締役の個人資産と強い関連がありますから。
いちいち法務局に出向くとなると、手間がかかって昔のような信用調査に逆戻りしかねない。

個人情報の保護が強く云われる昨今、この案も仕方ないと思わなくもないですが、
その一方、制度につけこみ、悪さを働く輩が跋扈するのでは…という懸念もぬぐえない。

さて、こうした改正案が示されると、
「なにかご意見・ご質問ありませんか?」と広く意見を募ることになっている。
つまり・・・

「プライバシー重視」>「法人登記情報の利便性」であるべきか
「プライバシー重視」<「法人登記情報の利便性」であるべきか

誰でも、それがたとい外国人であろうが、
自分の意見を自由に述べることができる仕組みがあるんですね。
行政が勝手なことをしないように、というか、国民の意見を反映させる、というか。
よくできた法律です、行政手続法ってのは。

まぁ、たしかに法律の上ではそうなっていますが、
「法人謄本の閲覧サービスで代表者の住所を表示しない」の案は
「案は既定路線なんだろう…。これからは調査が面倒になるなぁ」
どうせお国の決めることなんだ、もう決まりだろ…。そう思っておりました。

が、なんと改正案は没。
ちゃんと民意が反映されたというわけです。これは驚きました。
「プライバシー重視」<「法人登記情報の利便性」と考えた人が、多数を占めたのでしょうね。

というわけで、登記情報提供サービスにアクセスすると、
本日も、代表者の住所が表示された登記情報が手に入ります。
めでたし、めでたし。

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