グルメンピック騒動を会社謄本の側面から検証する
みなさんのご記憶にも、まだ新しいかと思います。
平成29年1月、味の素スタジアムで開催される予定だったグルメフェスがが突如延期。同時に500以上の飲食店から集めた総額1億2千万円以上の出店料が、返金されないままという騒動が発覚しました。その後、主催者が自己破産を申請する事態に。飲食店サイドでは被害者の会が結成されて、警察へ被害届を。結局、同年7月に関係者5名が逮捕される刑事事件に至りました。
この事件に登場した会社謄本から学ぶことは?
私は商工会議所のセミナーで、「会社謄本の読解法」についてお話しした際、この事件を取り上げ、
「この会社謄本のどこを見たら、辻褄の合わない箇所を見つけることができるか?」をお話ししました。
もちろん、この要点を知っていたからといって、事件の被害が食い止められたとうこともないでしょう。しかし一方で、「この会社謄本の辻褄の合わない箇所はここだよ」その要点を伝えらていたら、被害者が1人でも2人でも減ったのではないか?こう思うことがあります。
さて、グルメンピック騒動の渦中にあったD社。この会社謄本を取得し、反社チェックリストに落とし込んでみました。それが以下です。
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この会社謄本で最初に注意すべき点は?
D社会社謄本から云えることは、
(1)登記上の業歴に比べて、現本店での経過時間が浅い。現在謄本だけでD社を与信判断するのは拙速で、閉鎖謄本を取る必要がある。
(2)閉鎖謄本によると前本店での経過時間も短い
(3)補助資料として、「法人番号公表サイト」を取得すると、1年強で本店移転回数が3回と落ち着きがない。また商号の変更も1度あった。
(4)役員の入れ替わりが激しい。
現在謄本だけでは読み取れない情報を、改めて入手することができました。そして、これら情報をD社に質問し、どういう反応を示し、どういう答えをしてくれるのかを観察することです。その反応をみて、D社に信頼を置けるのか?を見極めることができたのではないか?と思うのです。
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